Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチとスティーブ・ヴァイが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

Ibanez JEM JR

いやしかし、インドネシアIbanezって仕上げが酷いですね。
まずフレットのトップの研磨が粗い。ヴィブラートかけると弦がギリギリザラザラと引っかかります。レベリング(高さを揃える)の粗削りで終わってる感じで、そういう行程なのかミスで仕上げを抜かしたのか、明らかに粗い研磨傷が残っているんです。(→サンドペーパーとコンパウンドで滑らかに磨きました)

そしてロックナットが高過ぎる。1フレットの弦高がめちゃめちゃ高いため、弦を押さえるのにかなり力が必要で、ローコードで音程がシャープしてしまう。(→ナット取り付け部の木を少し削って適正な高さまで下げました)

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ブリッジを下げても、今度は2~3フレットが当たって音が詰まってしまい、弦高が下げらません。ロッド調整をしてもダメ。よく見るとスカーフジョイントした部分でネックが逆反りしています。(→仕方ないので2~4フレットをビビらなくなるまで低く削って磨き直しました)

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さらに中華製のPOTが曲者で、シャフトの回りが異常に重いんです。トーンは良いとしても、素早いボリューム操作をしたいので困る。(→POT交換せず、シャフトの隙間にアルコールを流し込んでぐりぐり回して、抵抗になっているべっとりしたグリスを洗い流しました)

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これで一応ストレスなく弾けるようになりましたが、普通の人なら、「弦高が高くて弾き難い、フレットがザラザラで気持ち悪い」という時点でお手上げでしょうね。

さらにジャトゥバという指板材は色が薄くて安っぽく見えるので、白髪染め剤で濃い色に染めて、サンドペーパーでツルツルに磨きました。(ビゲン クリームトーンがお勧めです)

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ここからがVai風改造です。
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・20~24フレットをスキャロップ
・ライオンクロー部を蛍光ピンクに塗装
・ノブをグリーンとピンクの物に交換
・ヘッドにピックホルダーを追加

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これで廉価版ながらも立派なシグネチャーモデルになりました。

JEM7Vと弾き比べています。(2001年の7Vも手に入れました)

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Steve Vaiと私

1984年、イングヴェイ・マルムスティーンが抜けたアルカトラズに新人スティーヴ・ヴァイ加入!というヤングギターのニュースで初めて彼の名をを知りました。
最初のインタビューが乗ったYG1984年12月号は未だに持っています。初めての来日で、イングヴェイのフレーズを弾きこなした上にタッピングで新次元を見せたとの評判でした。

そして、85年に発売された「Disturbing the Peace」でヴァイの全貌が明らかになります。イングヴェイ路線とも既定ヘヴィメタルとも異なる奇妙としか言いようのない曲に、スゥイープやタッピング、ギターオーケストラ的な多重録音、ディレイなどのエフェクト活用した耳新しいプレイは、ハイレベルすぎて何をどう弾いているのか理解できず、ただ聴くだけでした。

 

ほどなくしてアルカトラズを脱退し、86年にデイヴ・リー・ロスバンドに加入。超人ベースのビリー・シーアンとの超絶コンビはロック界を賑わせました。私はそれ以前からTALASの曲として知っていましたが、名曲「Shy Boy」はヴァイのアイディアを加えて完成したといっても過言ではありません。
当時バンドをやっていた私はなんとか「Yankee Rose」を弾けるようになったのですが(今ではもう弾けませんが)、ビリーを担当するベーシストが見つからずバンドでの演奏は断念してギターへの熱意は薄れていったのです。

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DLRを脱退しホワイトスネイクに参加したことさえ知らず、その後のソロの活躍ぶりも全く知らずに、会社で働いては週末は車をいじったり走り回る毎日。

結婚して子供が生まれ生活が落ち着くとなんとなくギターを再開しましたが、なかなかヴァイの出番は来ません。とはいえたまに聞きたくなったりして「Passion and Warfare」と「Ultra Zone」のCDは購入してはいました。

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昨年の11月頃、ジェイクの情報で「ネ申風」ストラップの話題が出て、それってヴァイがアルカトで使っていたじゃんと思い、古いYGを引っ張り出してきたのがきっかけでブームがやってきました。しばらく前に見た「Gravity Storm」の演奏中アンプが故障してしまう動画をもう一度見たいと思い、探して見たらそのダンスが面白くてしょうがない。


Steve Vai blows up his amp

そんなある日、IbanezからJEM Jrというヴァイの廉価版シグネが販売されているのを知り、直ちに購入しました。新品のギターを買ったのなんて30年ぶりで5本目です。(笑)

アルカト、DLRのイメージで派手な黄色を選び、さらにはkeeleyのDS-1、MORLEYのBadhorsie、DigitechのWHAMMYなどのペダルも手に入れました。JEM Jrは売っているそのままではイマイチでしたが、指板を濃い色に染めてナットやフレットを調整したら結構良くなりました。特にオリジナルのピックアップが良いですね。パーツ交換やスキャロップ加工などちょこちょこと手を入れてヴァイ気分を楽しみました。

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しかし90年以降のヴァイの軌跡を追ってゆくと、やはりメインの白いJEMが気になってきます。(続く)

かなり久しぶりの更新になります。

かなり久しぶりの更新になります。
トレブルブースターを作った後、パソコンをONするのが面倒で、スマホで長文を打つのも億劫で、放置。(苦笑)

 

トレブルブースターに満足してフェンダーストラトキャスターも賞味終了となり、9月は、togetterにて逐電野郎を糾弾しておりました。

https://togetter.com/li/1271080

facebookで悪事がばれて叩かれていたようですが、コメントは削除してクレームをつけた人をブロック。サイコパスは全く反省していません。最近楽器店も解雇されたようなので、もうすぐ自滅するでしょう。

 

10月はストラトを買ったり組み直したり、処分をしていました。

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11月はRED DRAGON CARTELのニューアルバムを聴きまくっていました。ハムバッカーのギターを弾きつつジョジョに奇妙なジェイクEリーのブームです。
2千円で買ったフェルナンデスの赤いギターにダンカンのスクリーミングデーモンを載せたらかなり良い感じ。

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ライダースジャケットのブームも訪れました。

スティーヴ・ヴァイのブームが密かに始まり、ジェイクブームは、P-90のレスポールスペシャルを手に入れて終焉となります。

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ここで一気に機材の処分を進めて、マーシャルのSLP、ギター数本を売りました。

12月になり、JEM Jrを手に入れて、今やヴァイに夢中になっています。

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Marshall 1962 (Blues Breaker) ※初回投稿2018.9.8 13:59

台風が去って一気に涼しくなり小雨模様の本日ですが、お次はマーシャルの1962のお話です。

 

Deep PurpleのIn Rock期を研究していて、RB研究の第一人者であるMaster氏の「50W使用の可能性が濃厚」との意見を拝見してから、入手すべく色々と調査を進めて参りました。

1970年当時、リッチー大先生が200Wメジャースタックとコンボの1961を並べて使用していた証拠写真が残っています。

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それをIn Rockのレコーディングに使っていたということですね。


In Rockは1969年の10月から1970年の4月にかけて英国内メインの欧州ツアーの合間を縫って、IBC、De Lane Lee、Abbey Roadの3つのスタジオで収録されました。
機材管理の煩雑さを避けるために、ツアーはメジャースタックとAC30を機材トラックに積んで回り、スタジオではコンパクトな1961コンボを都度持ち込んだ、という事も考えられます。

 

当時のマーシャルのコンボといえば、JTM回路にトレモロが付いた1962通称ブルースブレイカーが有名ですが、12インチのグリーンバックが2発の1962に対して、見た目は同じ1961には10インチが4発入っていました。

マーシャルの50Wは通常であればEL34搭載のJMP回路の1987ヘッドでしょう。しかし本物は高価で手が出ない。現行のリイッシュー1987Xが現実的でしょうか。

70年頃の1961は60年代のJTM45ベースなのか、1987にトレモロ回路を付加した1987Tベースのか知識が無く分かりませんが、ソリッドステート整流器でEL34搭載は間違いなさそうです。今回の場合は雰囲気優先で(笑)リイッシュー1962を選択しました。

 

調べを進めると1962リイッシューには、1980年代末~の初期型と2000年代以降の後期型と特別なハンドワイヤードモデルの3種類があることが分かりました。
初期型はオリジナルに対して、キャビネットの奥行きが3インチほど短く(薄く)なっています。2000年代の物はオリジナルと同じサイズになりましたが、出物が少なく高額です。ということでコストを優先して89年モデルの中古を探し、安価で入手しました。

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コンボと言えど、1959ヘッドや1960キャビネットと幅が同じ(専有床面積はほぼ同じ)なので、かなり大きいです。リビングに常設しようと企んでいたのですが、家族の猛反対で断念。(苦笑)

 

ノーマル状態での印象は、JTM45回路に現行キャパシタを使っているため、歪はほどほどで暖かなトーンながら程よくエッジが効いているという感じ。やや音が固いのでボリュームとトレブルをちょっと絞ってやると、Blues Breakers時代のエリック・クラプトンに近い雰囲気が感じられました。

ストラトだと歪が足りずハードロックはちょっと苦しいですが、フルアップでハムバッカーのES335と組み合わせるとけっこうイケます。ちょっとハウってますね。

 
Marshall 1962 Bluesbreaker Ri


自作ブースターやOD-1をかませると、どちらのペダルもミッドハイレンジのトーンフィルターとなって、良い感じで一気にメタルレベルの歪になります。ストラトでも太く力強い音でした。

しかしハイポジションの単音弾きで音の立ち上がりが潰れてしまうという症状が発生してしまうのです。


Marshall 1962 Blues Breaker Ri and Treble Booster(echo)


調べてみると、電源の整流管のサグ(電圧低下、不足)が原因らしい。アンプに限らず電気製品は交流電源(日本では100V)を直流化するための回路があり、通常ではダイオードなどのソリッドステート部品が使用されるのですが、1960年代に設計された1962においては真空管が使用されています。
真空管ダイオードよりレスポンスが緩慢なため、音の立ち上がりで電圧上昇がやや遅く、結果、コンプレッション感のある柔らかい印象の音になるそうです。それが良い方向に出る音楽であれば良いのですが、エッジ感が必要なハードロックには好ましくありません。

そこで整流部をソリッドステートに変更してみました。最初は整流ダイオードを基板に追加する大改造を考えましたが、こういう便利な部品が2千円ほどで売っているのですね。右がデフォルトの整流管で、左がソリッドステート変換器(Solid State Rectifire)です。真空管の黒いソケット部分を使用して、その中にダイオードなどが入っています。

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サクっとアマゾンで注文して取り付けてみました。同時にBugeraの6L6パワー管をJCM900用に持っていた新品ストックのSovtek5881管に交換です。

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立ち上がりのコンプ感が少し改善されました。


Blood Sucker


Flight of the rat

しかしまだ潰れているので、Groove Tubeの初段プリ管を低ゲインのものに交換するか、ブースターのボリュームを下げるなど工夫が必要ですね。

 

※おまけ

比較用にリイッシューの1959SLPを1962のスピーカーで鳴らしてみました。


Blood Sucker Marshall1959SLP(CH2) and G12M25x2 part2


Into the Fire Marshall1959SLP(CH1) and G12M25x2


Hard Lovin’ Man Marshall1959SLP(CH2) and G12M25x2

オールドキャビネットの70年代G12M-25と比べるとやや硬さを感じますが、90年頃のイングランド製リッシューのグリーンバックはなかなか良好です。こちらもブースターのせいで全体的に立ち上がりが潰れていますね。

スピーカーの破損を避けるためにアッテネーターを使ったので、トレブルがちょっと落ちていますが、EL34らしくミッドレンジにピークのある音です。ヘッドとスピーカー共にリイッシューのためか、ちょっと音が硬く歪みが強いかな?という気がしますが、5881管よりはIn Rockの音に近い気がします。

JTM45回路でソリッドステート整流かつEL34がベストと思えるので、今後この1962リイッシューについては、EL34への換装とオールドキャパシタへの変更をやってみたいです。

HORNBY SKEWES TREBLE BOOSTER(コピー試作機)+70s Stratocaster+Marshall

さて最後に、自作ブースターとマーシャルの鳴らし比べです。

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9/4に台風が接近して大阪地方では被害が拡大する中、会社が午後から臨時休業となって帰宅した私は、家の周りの飛びそうなものを片付けると、雨風の音に紛れてマーシャルを鳴らす準備を始めました。

夕方になっていよいよ風が強くなり、ゴーゴーとものすごい音になってきたので、1962ブルースブレイカーリイッシュー、3台の100Wスーパーリード(6550管の74年、EL34の76年、リイッシューのSLP)をCH1のフルアップ、70年代のキャビネット2台のフルスタックで鳴らします。

ギターは75年のフェンダーストラトキャスターで自作のHornby Skewesコピーブースターを通しました。なお今回は生音の雰囲気を確保するため、あえてエコーなどの付加はしていません。

 


‘74Marshall (6550 tube) and Handmade Treble Booster ‘Honeby Skewes’ copy

まずは74年。6550管のキャラクターのせいで、レンジが広くやや粗い感じの歪感です。
生音は非常に迫力というか圧力があり腹に堪えますが、キャビネットの正面から逸れると、思っていたほどの爆音ではありません。周囲の嵐の騒音のせいでしょうね。
しかし家の中では今までにないかなりの音量のため、家族からクレームが出てフルアップはすぐ終了。アッテネーターで一段絞って(-4dBの)40W相当に音量を下げて継続しました。

こうなるともう全然余裕です。思えば高校~大学時代に使っていた日本ハモンド社のマイクロJUGGという、パワー部が6L6管2本のアンプが40Wでこんな音量でした。

ブースタ-なしではいかにもストラトという枯れたクランチトーンですが、ブースターをオンにすると一気にハードロックで使える太さを持ったディストーションになります。

 


‘76Marshall 1959 (EL34 tube) and Handmade Treble Booster ‘Honeby Skewes’ copy

次は76年。EL34はトーンがフラットな6550と比べてミッド寄りで、歪感も強いです。どちらかというとハムバッカー向きな気がしますね。電源のコンデンサを交換して元気の良い音になりました。

リイッシューのSLPの音源はありませんが、76年に比べてよりブライトでやや硬い感じがしました。70年代末期のスクエアスイッチのJMPや、JCM800に近いと思います。
お客さんが大勢入ったステージでは丁度良いような気がしますが、家弾きではオールドのような心地よさが足りないですね。
ただ、ビンテージのマスタードキャパシタが入った自作のブースターを通すと少し改善されます。内部のカップリングのキャパシタマスタードに交換すれば、70年代前半のオールドマーシャルに近づくでしょう。

 


‘89Marshall Blues Breaker (5881 tube) and Handmade Treble Booster ‘Honeby Skewes’ copy

ソリッドステート整流に変更してレスポンスアップした1962です。
実質30Wなので一戸建てで窓を閉め切っていれば、全開も大丈夫でしょう。
5881管は6550に近いワイドレンジな感じがありますね。JMP回路の1959と比べて、JTM回路なので歪は少なくマイルドなトーンです。
とはいえ、現行品のトレブリーなキャパシタなので、そこそこエッジ感も出ていてよい感じです。
ちなみにブースターオフでは、かなり細い音でハードロックには使えないかな。

 


‘89Marshall Blues Breaker (5881 tube) and Handmade Treble Booster ‘Honeby Skewes’ copy

最後は1962で、自作ブースターのハイパスフィルターをカットしたフルレンジブーストです。
先の音と比べて中低音が増してストラトとは思えない太いトーンになります。録音した音を聴く限り一番好きかな。
あくまでも私見ですが、プレキシ期のメジャーに近いような気がしました。


まとめ
6550、EL34、5881、JMP、JTM、オールド、リイッシューなど複数のマーシャルを一気に鳴らしましたが、それぞれ特徴があり、どれも好きな音ではあります。

今回は自作ブースターが個性ありすぎて、どれも大差ない感じになってしまいました。
ストラト+トレブルブースターで、いかにDeep Purple初期のリッチー大先生に近いかという観点で選ぶなら、6550管の74年1959か、リイッシュー1962ですね。
実際に弾いていた感じでは、音圧やトーンバランス、歪感などトータルでは74年がベストかな。
ハムバッカーならEL34の76年1959がベストだと思います。

 

あと70年代前半の50Wのオールド1987を鳴らしてみたいです。
それで我が家のマーシャル帝国は完結することでしょう。(笑)