古いマーシャルのねじ
久しぶりに(笑)マーシャルの話です。
マーシャルは80年代初めに、JMPからJCMにシリーズ展開して、デザインなどが大きく変わりました。その中でまったく互換性のない変更の一つが、キャビネットのスピーカーを留めているねじです。
複数のキャビネットを所有して、初めて気づきました。
ジャンク品を安く買うのが趣味の私ですが、ある時、70年代半ばのラージチェックグリルのオールドBキャビを安く買いました。安い理由はスピーカーが欠品で、箱だけだったから(笑)
安い出物を狙ってバラで1つづつ買ったG12T-75がやっと4発揃ったので取り付けようとしたのですが、ねじが無いのでJCM800期のキャビに使われていたプラス頭のM5サイズのねじを使おうとしたところ、入らなかったのです。
つまりねじの径が5ミリより小さいんですね。同年代の74年のAキャビと76年頃のBキャビのねじをみると、こんな状態です。頭が円筒形のマイナスねじなんですね。70年代前半のキャビは、随所にマイナスネジが使われているのです。
取り外してノギスで計測すると、外径が4.5~4.6ミリ程度でしたので、#10のユニファイねじか、3/8インチのインチねじかと考えました。
諸元を調べてみると、インチだと4.8ミリほどになるのでそれよりちょっと細い。実際に(なぜか)持っていたインチねじと比べてみましたが、それはやはり径が大きく、ねじ込めませんでした。
それでは旧規格のM4.5のミリねじか、と考えつつ、いろいろ調べを進めてゆくうちに、イギリスの独自の規格を見つけたのです。
どうやら、BA(British Association:英国協会)という規格があるらしい。
それを扱っているねじの会社を探し出して、現品を送って調べてもらった結果・・・#2BA x 1"(英国規格2番、長さ1インチ)というねじであることが判明しました。
これはレアなねじですよ。手に入るとはいえ、ホムセンなどで一般的には売っていませんし、1本が200円ほどと単価も安くはありません。
キャビネットに埋め込まれた爪付きのナットごと交換してしまうという手もありますが、クロスを張ったままでは作業が非常にやりにくいし、何といってもオリジナルは尊重したいものです。
16本購入しましたが、普通のM5ねじならホムセンで数百円のところ、BAねじはたったこれだけで送料手数料合わせて4千円ですよ?!
でもこれで、やっとこいつが片付けられます。
バスケットウィーブ、ラージチェック、ブラックと3つのクロスの古スタックが完成しますよ。(2203は売っちゃったからJCM800になりますが)
早く並べたいな。