Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチとスティーブ・ヴァイが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

ストラトのピックガードやトレモロのうんちく

フロント、センターのこもりが我慢ならず、赤茶色に焼けたピックガードも気に入らないので、秘蔵のミントグリーンのアセンブリに全交換です。

そもそも64-65年型のピックガードは、スラブボードの59-62年型にマッチしないのですが、雰囲気優先です。(笑)

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1.ピックアップ

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アセンブリは同じですが昔のギターの写真・・後述)

2000年代のバッカスの10万円クラスのギターに付いていたKEIYOのYUTA VS-1というもの。これは痛いトレブルが無く、太過ぎず細すぎず、絶妙に60sのストラトらしいトーンを持っています。フェルナンデス、フェンダー、サー、ダンカン、カスタムワインドなどを試してみた中で一番のお気に入りです。
リヤで比較すると、ESPの標準ピックアップはもうちょっとトレブルが強くザクザクした感じで、69年以降のグレーボビンに近い感じでした。

パーツは、CTSのPOT、CRLの5ポジションスイッチ、SUNGAMO 0.033μFキャパシタを、ベルデンのビニール被覆のワイヤーでまとめています。

2.ピックガード

ポイントは、1968年までのストラトキャスターに採用されていたアルミのシールドプレート。それ以降やコピー品は、POT周りのみアルミ箔でシールド(というか共通アース)していますが、ピックアップの周囲をシールドするとしないでは、かなりノイズの大きさが異なります。そして薄いとはいえ、アルミのプレートによってピックアップの取り付け部分の剛性が上がり、質量も増加して、わずかながら音に締まりが出ます。ちなみにストラトキャスターでは、薄く柔らかい58年までの1プライ、59-64の硬質で厚い3プライセルロイド(+アルミシールド)、それ以降の3プライ塩化ビニル、それぞれトーンが異なるそうです。これは、セミアコースティックギターのトップ板の厚さや硬さが違えば鳴りが変わるのと同じ原理ですね。さらに言えば、ピックガードのねじの締め具合でトーンが変化します。

まぁ、いずれも若干程度であり、劇的に変わるほどではありませんが。

3.トレモロの狂いの解消

3-1ナットの溝

このギターは、なんともチューニングが安定しませんでした。アームダウンすればチューニングが高くなり、チョーキングで下がってしまいます。これはナット部で弦が引っかかっているからです。見れば溝の幅は、弦の太さにピッタリのキツキツです。

まず油を塗ってみましたが、改善されず。溝を広げるしかありません。

エッジが鋭利な目立てやすりや、細丸の精密ダイヤモンドやすりで慎重に削ってゆきます。深く削らずに幅だけ広げるのはけっこう神経を使いますね。ちょっと削っては弦を張り確認・・・を数十回繰り返します。(思うにナットの溝仕上げはギターの作業の中で一番面倒だと思います。)最後に細かいサンドペーパーで溝を滑らかに仕上げて、油を付けた弦を擦りつけて接触面を均します。

ここのポイントは、幅は少しだけ広めに、一つ上のケージに合わせて設定することです。(009を張るなら010の幅で・・あくまでもイメージ)
隙間が広いと弦が暴れて音が濁ったりしますが、微妙な隙間であれば、スムースに弦が動くことができます。

3-2弦の巻き方

弦はペグに巻く量が多くても少なくてもダメです。
巻き付けが多いとアームダウンの際に緩みが多く、少ないとしっかり巻き付かないので、チューニングが安定しにくくなります。
3~4巻きほどが適切な巻き付け回数になりますが、ストラトの場合はだいたい、6弦でペグのポスト1.5個分の間隔、1弦でポスト1個分程度の弦の長さが3~4回の巻き付け量になります。ペグのシャフトの径や、弦の伸び具合(ゲージ)で変わりますので、各自で丁度良い長さを探してみてください。

3-3ブリッジ固定ねじ

ヘッド側の狂いが解消されても、ブリッジの動きが渋いとアームを使用した際にチューニングが狂います。これは、ブリッジが元の位置に戻らないことが原因ですね。
スムースに戻るようにするためには、各部の摺動抵抗をできる限り除去してやることが大事です。

一番大きなものはブリッジの固定ねじの抵抗です。普通のシンクロナイズドトレモロの場合、前部に6本のねじがありますが、このねじを締め込み過ぎると、ブリッジの動きが制限されたり抵抗が増えて動きが渋くなってしまいます。

調整方法としては、まず弦を緩めて裏側のトレモロスプリングを外してから、ねじを全部緩めます。そしてアームを目いっぱいダウンさせた状態(ブロックがボディに当たって止まった位置)で、1弦と6弦のねじを締めてゆき、ねじの頭がブリッジのプレートに当たってユニットが動いたところから、ねじを半周ほど緩めてやります。ガタガタせずスムースに動くベストな位置を見つけてください。
2~4弦は、ねじ頭をプレートに接触させないように1、6弦よりわずかに高く設定します。
なお、いくらやっても渋さが残る場合は、ボディの穴がずれていたり、ねじが曲がっているかもしれないので、確認が必要です。穴を埋めて明け直すか、ねじを交換しなくてはなりません。 

3-4スプリング

これだけやってもまだ狂う場合、スプリングがダメなことがあります。特に古く安いギターでは、錆びて劣化したり、質の良くないスプリングのせいでテンションが不安定になって狂うことがあります。しなやかで復元力の高いスプリングが理想的です。
個人的には、4本張りで軽く動く硬さのスプリングを取り付けています。いつも手元にある適当なものを使っていますけど、RAWVINTAGEの製品の評価が高いようですね。
今時は固さも選べますので、柔らかめのものが良いと思います。アーム操作の力も少なくて済むので、ヴィブラートやアームダウンがしやすくなります。


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さてこのギター、かなり気に入ってきました。恐らく私にとって最後のストラトになるでしょう。しかし、それほど新鮮味が感じられません。

 

3年ほど前に組んで、数か月前に売却したスパークルゴールドのこれ↓がデジャブってます。アセンブリが同じだし(笑)

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