Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチとスティーブ・ヴァイが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

Ritchie Blackmore

ここでリッチー大先生について書くのは最初で最後でしょう。
私が初めてBURNを聴いた1975年から40年余年、インターネットの普及により本格的に研究を始めた2002年から既に15年が経過しました。

様々な資料を集めて試行錯誤を繰り返し、現状で手に入る機材で納得できる結果が出せたので、研究に区切りを付けることにしました。(そもそも本物のマーシャルメジャーは手に入れていないし、ギターやアンプの改造は謎のままだし、その程度で納得か?というご意見もございましょうが、そこはご容赦ください。)

別のブログに書きましたが、昨年、長年待ち望まれていたハードロック回帰のステージをyoutubeと友人の現地レポートで見て、私のブラックモアに懸ける青春!が終わったと感じました。ロニー、コージーとの再共演は叶いませんでしたが、気の合ったメンバーと楽し気に往年の名曲を演奏する姿を見て、私の大先生に対する執着が消えてゆくのを感じました。まるで一生の願いが叶って大往生するような感じ。(笑)

ということで、もう思い残すことはなし。リッチー大先生に関する資料や機材を処分することにしました。これ以上私が持っていても意味がないことは明白なので、残りの人生を考えると、後継者に託すべしと思ったわけですね。

では、締めとしてDEEP PURPLE MK-3とレインボー中期までに限った研究結果の中で、一般にはあまり知られていないと思う事をまとめておきます。
これからのリッチー・ブラックモア研究を続ける方の参考になれば幸いです。


1.パワー管は6550(KT88)

Marshall Major 1967は現在入手が困難なヴィンテージアンプの一つです。さらに大先生はマーシャルの工場で自分好みに改造してもらっていました。
私の研究による推測では、下記3点の改造と認識しています。
*カスケード接続化
*ローカット回路追加
*マスターVOL追加・・ゲインコントロールなし、VOL1=マスター、VOL2(常に0なのでダミーと推測)

回路のキャパシタレジスタの定数などは分かりませんが、イメージ的には2203の回路にてゲインPOTを廃して、ゲインは一定量で固定したような感じと考えます。

手に入らないアンプを何で代用するか?それが問題なのですが、私の場合、偶然手に入れたUS仕様のパワー管に6550を使ったカスケード改造マーシャルが通常のEL34仕様よりも近く感じました。6550はメジャーに使用されたKT88に特性が近いからと思います。
カップリングにマスタードを使用した76年頃の2203のUS仕様であれば私のものとほぼ等しいですが、レアなモデルなので入手困難でしょう。EL34仕様の一般的なマーシャルなら、パワー管を6550もしくはKT88に換装して、CH1とCH2をカスケード接続化&MasterVOLを追加、さらにペダルのグラフィックイコライザーなどでBASSを絞ってやると良いと思います。6550管のエングルシグネイチャーも良いでしょうし、US仕様のJCM800の2203を改造してカップリングキャパシタマスタードに交換するという手もあると思います。

2.AIWA TP-1011≒ファズ

一般にはこのレコーダーのプリアンプにて信号を増幅し、マーシャルアンプをブースト(オーバーロード)させているということになっていますが、それを鵜呑みにしてクリーンブースターで増幅して過大入力をインプットしても、信号が飽和してモワモワに潰れた切れの悪い音になるだけです。
アイワのプリアンプは、マイクのインピーダンスに合わせて増幅量を設定しているので、ギターをつなぐと過大入力となり、内部で歪が発生してファズに類似した動作となります。さらに出力がラインレベルのため、アウトレベルを上げるとギターアンプには大きすぎる信号となってしまいます。
よって出力はほどほどに抑えて、プリアンプの中で歪を発生させて歪量をコントロールするのが正解です。イメージ的には、クランチ状態のアンプにOD-1のように歪を付加してトーンを整える感じです。

左のMICボリューム(ゲイン)を上げると、バリバリとミッドハイを強調したトランジスタ独特の歪が発生し、普通のシングルコイルピックアップでも「メイド・イン・ヨーロッパ」のような激しく歪んだ音になります。

3.シェクターかダンカンか?

ホワイトローズに搭載したクォーターパウンドのピックアップはどちらなのかという論争がありますが、正解は、74年のホワイトローズにはシェクターF500T改リワインド、77年のホワイトローズのリヤにはダンカンSSL-4を搭載したことがある、です。
フェンダー(ジャパン)から発売されていたシグネチャーモデルにSSL-4が搭載されていた事が混乱を招いた原因ではないでしょうか。

4.ローカット

マーシャルスタックなど低音が出るアンプを使うと、低音が暴れるというか抜けの悪い潰れた音になってしまいがちです。本物のメジャーやアイワを手に入れたとしたら尚更ですね。アンプのBASSをゼロにしてもまだ低音が出過ぎるので、リッチー大先生のようなクリアーでブライトなトーンを出すためにはローカットが必須です。
アンプにローカットフィルターを入れるのは試行錯誤が必要なので、アンプの直前でグラフィック、またはパラメトリックイコライザーで補正すると良いです。

5.シェクターF500T

一般的にはハイパワーなピックアップとして知られていますが、リッチー大先生はパワーが欲しかったのではなく、ノイズを少なくしたかったのです。つまりフルターンではなく出力の小さいタップで使用していたと思われます。(1980年頃)
歪みはアイワやメジャーアンプで発生させて、ピックアップ自体は根源ノイズを低く抑えるため出力が低くしたということでしょう。

そこを理解せず、シェクターのF500やF500Tのフルターン、ましてやダンカンのSSL-4をそのまま使うと、ノイズか大きくもっさりとした抜けない音になってしまい、リッチーサウンドに近づけません。
(私のRB79モデルは、少な目:直流抵抗値7.5kΩ程度にリワインドしたF500を搭載しています。)


なお、それ以外のことはシンコーから出版された「RBギターズ」に詳しく書いてありますので、ディープなマニアな方は、必ず読んでください。

以上。

ありがとう!リッチー大先生。
研究は終わりにしますが、いつまでもファンであり続けますよ。