Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチとスティーブ・ヴァイが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

1975年のフェンダーストラトキャスター その1

それは、過剰包装された現行のフェンダーのハードケースに入って来ました。私が持っている70年代のオリジナルケースは赤~オレンジ色の内張なのに現行品は黒~紺で地味です。この75年はオリジナルケースに収納して、新しいケースにはESPでも入れようかな。

 

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取り出してみると、サンバーストの具合は良いのですが、初めてのフェンダーはよく見るとなんだかちょっと違和感のある印象でした。

 

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ヘッド表面はラッカーが飴色に焼けてウェザークラックもボチボチ発生しており貫禄は十分。ロゴが内側に寄っているのがちょっと残念かな。

まずはチューニングを合わせて弾いてみようとしましたが、んーーナット高すぎ!

 

難点1
まず、変更されたブラスナットがひどい。高さが全然合っていなくて、1フレットの弦高が3ミリくらいある。それがどれだけひどいかというと、ローコードを無理に押さえると弦が引っ張られて音程がシャープしてしまうんです。そうだね、素人がブラスを削るの大変だったんだね。仕方ないよね・・これは交換か調整要です。

 

難点2
フレットがガタガタです。何度か擦り合わせもしているのでしょうね。トップは平らでけっこう低くなってますが、至る所弦の当たった部分が凹んでいます。
出品コメントには「各ポジションでの音詰り、ビビリなどございません。」ってブリッジを上げてごまかしているだけじゃん!
ビビりは無くてもまともに弾けねぇよ!

これはひどい。フレットが仕上げされていないプレイテックやフォトジェニックとかの方がマシです。
私は自分でやるからいいけど、メンテのできない人(そっちが普通ですね)だったらお手上げですね。リペアに出してフレット&ナット交換で6万は余計な出費となるでしょう。

 

難点3
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説明になかったのですが、5弦だけ現行のシャーラーFキーに換えられていました。ノブのシャフトの長さが長いので、そこだけ飛び出していてカッコ悪い。メッキの質感が全然違う、ストリングポスト先端の穴加工の形状、など非常に不満です。
ヤフオクでオリジナルを1個探すか、シャーラーM6miniに換えてしまうか悩もう。

 

難点4
ボディ裏に幅7ミリほどのミミズ腫れのような塗装が膨らんだ筋が2本あり、その周りはサンドペーパーの擦り傷が。何だよそれ?!

 

難点5
穴にアームを差し込んで動かそうとしてみましたが、びくともしません。トレモロはばね5本で、ねじをがっちり締めこんでありました。外したバックパネルの裏には、ノイズシールドのつもりなのかアルミ箔やビニールテープがはってありベタベタでした。きっとその成分が周囲のラッカー塗装を侵食したのでしょうね。

  

そんないくつかの残念な点に怒りをこらえつつも「直せば直る!」気持ちを切り替えて、とりあえずアンプを通して音のチェックをしてみました。

 

・・・・!・・・!!・・・・!!!

ガタガタの見かけとは裏腹に、音そのものは素晴らしく良いです。というか最高。今まで鳴らしたシングルコイルPUの中で一番気に入りました。
余計な中低音がすっきりしていて、ギラギラ感を持ちながらも嫌味な刺々しさがない、絶妙なトーンです。

今まで70sトーンを求めてフェンダーカスタムショップの69ストラト、テキサススペシャル、テキスペ改リワインドなどを使ってきました。それらを使っていた時はそれなりに満足していたのですが、いずれもドンシャリだったり刺々しかったり、クセのある音で、今思うとフェンダーのオリジナルグレーボビンとは全然違う感じです。
フェルナンデスのRST50に載っていたL5000VINTAGEはけっこう近いのですが、ミッドハイに引っかかるようなピークがあってオリジナルには及びません。

こんな音ですよ。


1975 Fender Stratocaster


どうです?良いと思いません?
ポールピースがスタガードかフラットかの違いだけで、フェンダーストラトキャスターのPUは、1969年~1979年まで基本的に同じ仕様で作られています。70年代のトーンを求める方は、あれこれ試して余計なお金と時間を使うことなく、少し相場の安い74年後期以降のフラットポールピースのものを入手することをお勧めします。


さて、いくら良い音でもこのままではギターとして使えないので、いよいよ手直しです。

 

まず張っていた弦を外して捨てます。
そしてネックを外して、ナットを撤去、フレットの整形です。

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ネックエンドのスタンプは緑のインクが退色して判別できませんでしたが、TORRESさんが仕上げたようです。
レベリングツールでフレットの凹みが消えるところまでトップを平らに削り、専用のクラウニングやすりでトップを丸く削り、最後に耐水ペーパーとコンパウンドで、指板塗装面も一緒に滑らかに仕上げて完成。
フレットを削る量が多かったので、かなり低くなってしまいました。近いうちに交換が必要ですね。

そしてナット。フェンダーストラトキャスターは何故か、ナットの底面が指板に沿ったアール形状をしています。適当な円筒状の物体の表面にサンドペーパーを貼りつけたツールで手持ちのナットの底面を削ります。後日フレットを交換することを予測して、少し高めにしておいて仮付け。
(続く)