Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチとスティーブ・ヴァイが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

1975年のフェンダーストラトキャスター その2

次はボディ。こうなったら全部バラします。バラしながら70年代中期の74-76ストラトのディティールを確認しました。 

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ピックガードを外すと、やはり裏側とキャビティにはボロボロに朽ち果てたアルミ箔が両面テープで貼り付けられていました。良く見ると、ただ張っただけでアースに落としていないんですよ。シールド効果がない・・・これをやった以前の所有者はおバカさんですね!

アセンブリはハンダを外した痕跡がないフルオリジナルでした。

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ピックアップのスタンプは末尾がかろうじて「675」と読めるので、75年に6号機で巻かれたものです。

 

まずキャビティからアルミ箔の撤去です。

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きれいになりました。
良く見るとピックガードに隠れていた部分(フロントとセンターピックアップの間)に赤が残っています。元は赤い部分がかなり広かったようですね。
赤を先に吹いてから、黒を吹いているようです。
そしてコントロールキャビティは意外と深く削られていました。

 

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外したノブとピックアップカバーの素材はナイロン樹脂で、思ったより柔らかかったです。ノブの文字は割と小さく、77年以降の物より華奢で角が丸い感じでした。

塩化ビニル製のピックガードは、薄く作られていて某国製の安物かと思うほどペナペナに柔らかいです。そして裏側は艶消しでさらっとした質感でした。
国産コピーや現在売っているものは、それよりもやや厚く固い樹脂が使われていて、裏側までツルツルなのでかなり違いますね。現行品の剛性感は60年代のセルロイド製に近いのかもしれません。

1968-69年頃のピックガードが、経年変化によって裏のパール柄のセルロイドが縮むと、ジミ・ヘンドリクス所有していたストラトのように縮まない柔らかい表側が膨らんでしまうのも理解できました。


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シールドのアルミ箔はピックアップの側面にまで貼られていました。
ここまでやっていながら、アースしていないのは実に残念。
癒着した両面テープの粘着剤を手の爪やら竹べらなどを使って剥がし、なんとか元の姿に戻すことができました。

 

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ピックガード裏に、緑のマーカーのチェック、鉛筆による作業者のサインでしょうか?
今まで本や写真でしか見たことが無かった、いかにも本物なディティールにニヤリとしてしまいます。

ボディに余計な穴が無かったことからも、白いピックガードはオリジナルだったと思われます。

ストラト本を見ると「黒ガードは1975年末に始まった」となっているので、このギターは75年製と判断しました。

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それにしてもジョイントプレートのシリアルナンバーには踊らされたな。(笑)
一般的には1973-74年に使用された番号だったのですが、パーツの先入れ先出し管理が徹底されていないので、番号が飛んだり戻ったりというのは良くあるようです。個体の年式についてはやはり、ネックデイト、ピックアップデイト、POTのシリアルNo.から総合しないと正確な判別は出来ません。うーむ勉強になりました。ちなみにこちらが私のバイブルです。

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ピックガードアセンブリを元通り組み直してボディに取り付けたら、次はトレモロブリッジです。これもワックスみたいな汚れがべったりこびりついていたので、全部分解して油分を落として、超音波洗浄機できれいにしました。

 

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けっこうきれいなメッキで、なんとアーム差し込み穴の中には貴重なテンションばねが入っていましたよ。
しかしこのブリッジは使いません。

 

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10年くらい前にフェンダージャパンのスチールブロックから改造したRB極太アームに変更です。これに国産コピーのダイキャストサドルを組みます。

うーん良い感じになってきました。

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すべてのパーツを組みネックを固定したら、弦を張って各部の調整に入ります。

先日ちょっと古い未使用品を6セットまとめて入手したフェンダーのオリジナルブレッツ弦です。ストラトにはやっぱりこれですね。
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70年代当時は、ブレット部分は鉛を鋳込んだちょっとお粗末な作りでしたが、現在の物はブラスを削り出したような精密なブレットでカッコ良いのです。
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(続く)