Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチとスティーブ・ヴァイが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

リッチー大先生の1972年ストラトキャスターのブリッジに挟んであったプレートの謎

1972-73年頃に使用していた、72年式のブラックとサンバーストのストラトキャスター・・・ブレット式トラスロッドナット、マイクロチルト機構付き3ボルトジョイント・・・のブリッジプレートとサドルの間には、トレモロのスプリングキャビティカバーの白いバックパネルを切断したものが挟んでありました。その後74年からメインに使用していた72年式のナチュラルのストラトでは、アコースティックギターのブリッジ材が挟んでありました。いずれもサドルの高さを上げるためのスペーサーと思われていましたが、そうではない可能性が出てきたのです。

 

私が以前にナチュラルのレプリカをフェンダージャパンのボディで作った際にアコギのサドル材を入れてみたのですが、12フレットで3ミリという弦高でセットすると未熟な私には弾き辛く、2ミリ弱まで下げたらサドル固定ねじがサドルの上面に飛び出すような状態でした。つまりアコギサドル材は、全然スペーサーの効果が無かったわけです。(笑)
その時は「カッコだけ」でいいやと思っていましたが、なんとも釈然としないところでありました。

 

そして75年のストラトを手に入れたので、リヤピックアップを最大に上げて12フレットで弦高3ミリというセッティングに再挑戦したのですが、スペーサー無しでもサドルねじは十分な噛み合いを確保していて、ぐらついたりすることが無いことが分かりました。ということはリッチー大先生の72年式ストラトのスペーサーは、サドルを上げるという機能を狙ったわけではなかったではないか?

色々考えてみて、あれはトーン調整のパーツだったという推測に至りました。

 

話は少し脱線しますが、当時リッチー大先生がメインに使っていたストラトについて触れておくと、1号機の1968年式ブラック/メイプル指板は、ピックアップ巻き数が約8000で、トーンキャパシタは0.1マイクロファラド(uF)、プレスサドル、ベースプレート、イナーシャブロックなどのトレモロブリッジのパーツはすべて鉄製でした。どちらかというとミッド寄りにピークのあるファットなトーンと言えます。

 

2号機は1970年式サンバースト/メイプルワンピースで、ピックアップは約7600巻、キャパシタが0.047uF、ブリッジは同じく鉄ですが、68ブラックよりややトレブリーなトーンを持っていました。DVDになっている72年のコペンハーゲン公演「マシンヘッドライブ」のアンコールでギターを持ち替えた時に、その違いがはっきり分かります。
このギターは割と頻繁にステージで使用されていた印象があるのですが、極太アームこそ取り付けられたものの、スキャロップは雑で削りっぱなし(塗装していない)、フレットも交換せずペグはFキーのままという雑な状態でした。RBギターズの執筆者である牧原氏も指摘していましたが、お気に入りではなかった(特にトレブリーな音が)のではないかという気がします。
当時はマーシャルメジャーを改造したり、ホーンバイスキューズのトレブルブースターを使用していたので、微妙にトレブリーな点が気に入らなかったのかもしれません。

 

そして72年式のブラック、サンバーストを手に入れると、どちらも太いフレットへの交換とスキャロップ加工を施して指板を塗装しています。
ブラックはシャーラーのM6を取り付けてダイキャストのブリッジのままスペーサーを入れました。
サンバーストはFチューナーのまま、鉄ブロックのブリッジ(鮮明な写真が無くプレスサドルかダイキャストなのか不明ですが)に極太アームを取り付けてスペーサーを入れました。

この2本は電気的なスペック的は70年式サンバーストと同じで、68年式と比べたらやはりトレブリーなトーンだったはずです。

 

耳ざわりなトレブルが嫌いな大先生は、「サドルとベースプレートの間に鉄より柔らかい物を挟んで振動を殺せばトーンがマイルドになる」と閃いて実践したのではないか?
それが私の推測です。

私がアコギブリッジ材を挟んだ時には、わずかにアタックやサスティーンが弱くなり、少しマイルドな(悪く言えば死んだ弦のような)トーンだったような気がしていました。

リッチー大先生は、トレモロのバックプレートでは柔らかすぎたために・・・これがアルバム「Who Do We Think We Are」のマイルドなサウンドの一つの要因だったかもしれませんが・・・次のナチュラルではアコギのサドル材を使ったものの、その後はトレブルブースターの使用を止めてアイワのTP-1011に移行しトーンが改善されたので、スペーサーは不要になったのではないでしょうか。

 

オリジナルフェンダーのバックプレートはありますが、さすがにそれを切ってしまうのはもったいないので、何か似たような硬さの塩ビ板を探して実験しようと思います。