Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

Marshall 1962 (Blues Breaker) ※初回投稿2018.9.8 13:59

台風が去って一気に涼しくなり小雨模様の本日ですが、お次はマーシャルの1962のお話です。

 

Deep PurpleのIn Rock期を研究していて、RB研究の第一人者であるMaster氏の「50W使用の可能性が濃厚」との意見を拝見してから、入手すべく色々と調査を進めて参りました。

1970年当時、リッチー大先生が200Wメジャースタックとコンボの1961を並べて使用していた証拠写真が残っています。

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それをIn Rockのレコーディングに使っていたということですね。


In Rockは1969年の10月から1970年の4月にかけて英国内メインの欧州ツアーの合間を縫って、IBC、De Lane Lee、Abbey Roadの3つのスタジオで収録されました。
機材管理の煩雑さを避けるために、ツアーはメジャースタックとAC30を機材トラックに積んで回り、スタジオではコンパクトな1961コンボを都度持ち込んだ、という事も考えられます。

 

当時のマーシャルのコンボといえば、JTM回路にトレモロが付いた1962通称ブルースブレイカーが有名ですが、12インチのグリーンバックが2発の1962に対して、見た目は同じ1961には10インチが4発入っていました。

マーシャルの50Wは通常であればEL34搭載のJMP回路の1987ヘッドでしょう。しかし本物は高価で手が出ない。現行のリイッシュー1987Xが現実的でしょうか。

70年頃の1961は60年代のJTM45ベースなのか、1987にトレモロ回路を付加した1987Tベースのか知識が無く分かりませんが、ソリッドステート整流器でEL34搭載は間違いなさそうです。今回の場合は雰囲気優先で(笑)リイッシュー1962を選択しました。

 

調べを進めると1962リイッシューには、1980年代末~の初期型と2000年代以降の後期型と特別なハンドワイヤードモデルの3種類があることが分かりました。
初期型はオリジナルに対して、キャビネットの奥行きが3インチほど短く(薄く)なっています。2000年代の物はオリジナルと同じサイズになりましたが、出物が少なく高額です。ということでコストを優先して89年モデルの中古を探し、安価で入手しました。

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コンボと言えど、1959ヘッドや1960キャビネットと幅が同じ(専有床面積はほぼ同じ)なので、かなり大きいです。リビングに常設しようと企んでいたのですが、家族の猛反対で断念。(苦笑)

 

ノーマル状態での印象は、JTM45回路に現行キャパシタを使っているため、歪はほどほどで暖かなトーンながら程よくエッジが効いているという感じ。やや音が固いのでボリュームとトレブルをちょっと絞ってやると、Blues Breakers時代のエリック・クラプトンに近い雰囲気が感じられました。

ストラトだと歪が足りずハードロックはちょっと苦しいですが、フルアップでハムバッカーのES335と組み合わせるとけっこうイケます。ちょっとハウってますね。

 
Marshall 1962 Bluesbreaker Ri


自作ブースターやOD-1をかませると、どちらのペダルもミッドハイレンジのトーンフィルターとなって、良い感じで一気にメタルレベルの歪になります。ストラトでも太く力強い音でした。

しかしハイポジションの単音弾きで音の立ち上がりが潰れてしまうという症状が発生してしまうのです。


Marshall 1962 Blues Breaker Ri and Treble Booster(echo)


調べてみると、電源の整流管のサグ(電圧低下、不足)が原因らしい。アンプに限らず電気製品は交流電源(日本では100V)を直流化するための回路があり、通常ではダイオードなどのソリッドステート部品が使用されるのですが、1960年代に設計された1962においては真空管が使用されています。
真空管ダイオードよりレスポンスが緩慢なため、音の立ち上がりで電圧上昇がやや遅く、結果、コンプレッション感のある柔らかい印象の音になるそうです。それが良い方向に出る音楽であれば良いのですが、エッジ感が必要なハードロックには好ましくありません。

そこで整流部をソリッドステートに変更してみました。最初は整流ダイオードを基板に追加する大改造を考えましたが、こういう便利な部品が2千円ほどで売っているのですね。右がデフォルトの整流管で、左がソリッドステート変換器(Solid State Rectifire)です。真空管の黒いソケット部分を使用して、その中にダイオードなどが入っています。

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サクっとアマゾンで注文して取り付けてみました。同時にBugeraの6L6パワー管をJCM900用に持っていた新品ストックのSovtek5881管に交換です。

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立ち上がりのコンプ感が少し改善されました。


Blood Sucker


Flight of the rat

しかしまだ潰れているので、Groove Tubeの初段プリ管を低ゲインのものに交換するか、ブースターのボリュームを下げるなど工夫が必要ですね。

 

※おまけ

比較用にリイッシューの1959SLPを1962のスピーカーで鳴らしてみました。


Blood Sucker Marshall1959SLP(CH2) and G12M25x2 part2


Into the Fire Marshall1959SLP(CH1) and G12M25x2


Hard Lovin’ Man Marshall1959SLP(CH2) and G12M25x2

オールドキャビネットの70年代G12M-25と比べるとやや硬さを感じますが、90年頃のイングランド製リッシューのグリーンバックはなかなか良好です。こちらもブースターのせいで全体的に立ち上がりが潰れていますね。

スピーカーの破損を避けるためにアッテネーターを使ったので、トレブルがちょっと落ちていますが、EL34らしくミッドレンジにピークのある音です。ヘッドとスピーカー共にリイッシューのためか、ちょっと音が硬く歪みが強いかな?という気がしますが、5881管よりはIn Rockの音に近い気がします。

JTM45回路でソリッドステート整流かつEL34がベストと思えるので、今後この1962リイッシューについては、EL34への換装とオールドキャパシタへの変更をやってみたいです。