Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

リッチー大先生的ギター調整~弦高(ブリッジ高さ)

昔々シンコーから出版されていた初めてのブラックモア本である「Ritchie Blackmore 狂気の雷舞」で読んだ1973年頃のインタビューのコメントで、ずっと誤解していたことがありました。
「弦のアクション(弦高)は高くしている。ジャズギタリストみたいに音に気取りが出るからね。」というような内容だったと思いますが、別のインタビューでは「弦高は12フレットで3~3.5mm」という記述もありましたので試してみたところ、まだギター歴の浅い私にはそのセッティングだと弦が押さえ難くなってとても弾き難くなってしまいました。「リッチー大先生ほどのキャリアにもなると違うのだな」などと思い込んでいたのです。

それはひとまず置いておいて、最初のメインストラトである68年製のブラックは、ブリッジのサドル高さが非常に低く設定されていました。サドル調整ねじの出っ張り具合や、ピックアップの低さなどを見れば明らかです。(以下、詳しくはシンコーミュージック刊「ザ・ギターマン特集RBギターズ改訂版」P.23を見てください)

※重要!
以後、「サドル高さ」と「弦高(弦とフレットの間隔)」を区別してください。

 

フェンダーストラトキャスターは、1959年からネックポケットが深くなるよう変更されました。ネックが低く取り付けられるようになったことによって、しばしばサドルを一番低くしても適正な弦高を確保できなくなり、フェンダー社では1971年までシムを入れることによって、ネックの仕込み角を変更してサドル高さが適正になるよう調整して組立てていました。

大先生は、自分で分解、再組立てをした際にシムを入れ忘れてしまったか、故意に外してしまったため、適正な弦高に調整した結果、サドルが低くなってしまったのでしょう。さらには指板のRを緩くフラット気味に削ったため、より下がったとも考えられます。

その結果、ボディ上面(ピックガード)から弦までの間隔が異常に狭くなって弾き難かったのでしょうか?それを解消するには、ネックの仕込み角度を大きくしてサドル高さを上げなくてはなりません。1971年から採用されたマイクロティルト機構は、その調整を容易にするための仕組みでした。

大先生は71年のストラトキャスターを手に入れて、さっそくその機能を活用しました。しかしサドルを最大限に上げてもまだ足りず、サドルのねじ足とブリッジプレートの間に、トレモロキャビティのバックパネルをカットしたものや、アコースティックギターのブリッジ材を挟み込んで高さを稼いでいました。(RBギターズP.35-38参照)

 

私は近年になってやっと72年のナチュラルのレプリカを製作したので、アコギブリッジをサドル下に挟んでネック仕込み角度とサドル高さを調整し、12フレットの弦高が3ミリになるようセットしてみたのですが、3ミリという弦高は常識的な範囲だったことが分かりました。

ここに至り、ようやく冒頭の大先生の言葉の意味を理解します。正確には「サドル高さ」を高く設定していたという意味だったのだと。

 

サドル高さを変えるとどうなるのか?
ギブソン式のストップテールピースの高さ調整と同じ、と考えると分かりやすいです。
理屈は省きますが、サドルが高いと結果的に弦がサドルをブリッジプレートに押し付ける力が強くなります。それによって弦をはじいた時のアタック感が強くなり、弦の振動が制限されるためサスティーンや倍音が減って音に締まりが出ます。それを「気取りが出る」と表現したのだと思われます。

逆にサドルを低くすると、サドルを押さえる力が弱くなりアタックが弱くなりますが、弦振動の制限も弱くなるので、サスティーンが長く倍音が出やすくなって、賑やかというか明るいというか若干ワイルドなトーンになります。

ストラトで実験するのは少々面倒なので、レスポールなどストップテールピースのギターを持っていたら、テールピースをベタ下げにした場合と、サドルから弦が落ちないギリギリの高さまで浮かした状態で弾き比べてみてください。上記のことが理解できると思います。これはストラトのストリングガイドの高さも同じことなので、ギブソン系を持っていない場合は、ストリングガイドを付けたり外したりして試してみてください。

 

なお余談ですが、そういう微調整をするとテンションが変わると主張するお馬鹿さんがいます。昔アメブロ音楽学校の講師を名乗る澤田某というアホウに絡まれたことがあったっけ(笑)

テンション=音程ですので、正しい音程を出す限りテンションは変わりません。テンションが高くなったのたら、音程がシャープしていることになります。
ネックの仕込み角度を変えようが、サドル高さを変えようが、ヘッドのストリングガイドの高さを変えようが、同じギターで同じ弦高(弦とフレットの間隔)であれば押弦やチョーキングの際に指先に感じるテンション感は一切変わりません。変わるのは弦振動=ギターの鳴りです。

ただし弦高を高くした場合には、弦を押さえる指先に感じるテンション感は強くなります。それは先ほどのサドルやテールピースの高さを変えるのとは別の話ですので、区別して理解して欲しいと思います。

 

少々話がそれましたが、リッチー大先生は、メイプルワンピースネックのストラトを使用していた72-74年頃は、そこまでこだわってサドル高さを上げていたにも関らず、ロースウッド指板のモデルを使うようになった頃から、ネックの仕込み角を小さくして普通のサドル高で使用するようになりました。メイプルとローズウッドのトーンキャラクターの微妙な違いをサドル高さで調整していたのか?

それともボディ上面(ピックガード)から弦までの間隔が大きいことという違和感を解消できなかったのか?
その理由はまだ分かりません。

今後、研究を進めたいと思います。