Masahall Full Stack

マーシャルアンプとリッチー・ブラックモアとジョージ・リンチとスティーブ・ヴァイが大好きなマサハルのブログです。時々こっそりと過去記事を改訂しています。(笑)

マーシャルの修理など

入手した1962は、早速シャーシを引っ張り出してソリッドステート整流に変更し、パワー管を交換しました。
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使用部品はリイッシューの1959SLPとほぼ同じですが、トランスはレイダウンですね。

 

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出番のないJCM800 SUPER BASS 1992も中を開けてチェック。欠品だった真空管リテイナーを追加して背面カバーを閉めました。ヤフオクに出してますが、全然入札が無い。(苦笑)

 

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1959SLPも処分しよう。

 

76年の1959は、電源の電解コンデンサ(1975年製)を交換してリフレッシュ。
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部品が干渉してドライバーが入らず固定しているねじを緩めるのにかなり苦労しました。

 

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やっぱりマーシャルは良いです。

あとオールドの50Wヘッドを入手できたら満足かな。

次回予告↓


I’ll play Marshalls loud in the storm

トレブルブースター2号機

さて、試作機が上手くいったので、モダンなケースで現行パーツを使用した2号機の製作にかかりました。

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試作機との違いは、ケースは奢って立派になったものの、キャパシタに現行品の安いやつを使用したことです。
試作機は、Philips/Mullard社のマスタード(@350-400)とPhillips/BC Componentsの016(@100)を使用しましたが、

 

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2号機は、Illinois Capacitor社のMPW(@150)とLelon(@20)をを使用しました。

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計3個の差額はおよそ400円弱です。このくらいならオールドパーツ優先しても良いのですが、別に費用をケチったわけではなく、オールドパーツが入手できない場合を想定した実験なのです。

 

しかし結果はNG。
なんともカリカリ、シャリシャリとトレブルが耳障りで、オールドにあった心地良さが無いのです。

結論としては、手に入る限りはオールドパーツの方が良いということですね。


とはいえ、こちらの方がケース強度も高くレイアウトもスッキリきれいに収まりますので、暇を見てパーツを再手配して組み直そうと思います。さらに、フルレンジモードでも音量調整のボリュームが効くように改良する予定です。

 

仕様が固まったら、ヤフオクで売ろうかな。
なんせトランジスタが、あと98個もあるもので。(笑)

 

どなたか欲しい方はいませんか?

新たなマーシャルとブースター

ご無沙汰しております。

通勤車の車検があったり、母の入院〜葬儀、長男の部屋探しで石川↔埼玉~東京を何度か行き来したり、ドタバタして更新が滞っておりましたが、その間、実はいろいろとやっていました。

ツイッターをチェックしている方はご存知かと思いますが、

'89年製1962ブルースブレイカーRi購入と小変更

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トレブルブースター2号機を製作するも失敗 

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マーシャル修理

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など・・・・順に記事をアップしようと思いますが、まずは予告編をご覧ください。

 


‘89Marshall Blues Breaker (5881 tube) and Handmade Full Range Booster ‘Honeby Skewes’ copy 1

台風が荒れ狂う中、自作ブースターを通してマーシャルを大きな音で鳴らしてみましたが、Deep Purple 初期のブラックモア・サウンドに一歩踏み込めたと思います。

HORNBY SKEWES TREBLE BOOSTER(コピー試作機完成)※音源追加

※最後に音源追加しました。


少々時間がかかりましたが、やっとトレブルブースター(以下TB)が完成しました。
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まずは聴いてください。

77年のフェンダーピックアップを乗せたフェルナンデスFSTを、6550パワー管の74年のマーシャルスタックで鳴らしました。(夜なのでアッテネーター使用)


Honeby Skewes copy treble booster

1.TBなし

マーシャルフルアップの音です。ストラトらしいジャキジャキした音ですが歪が弱いです。

2.TBノーマルモード

トレブルというよりミッドレンジをブーストして、歪とバイト感が増していますね。VOXブライアンメイアンプのようなピーっという発振に近いハウリングもなく、耳障りな感じがありません。VOLノブでブースト量が調整できますが、これはVOL10の状態です。

3.TBフルレンジモード

スイッチを切り替えると、出力の100kΩ抵抗を外した音が出せます。リッチー大先生が行っていたモディファイですが、抵抗を外すとハイパス=ローカットが機能せず太い音になるので、結果的にほぼフルレンジブースターになると思います。(ケースのアースが不十分なせいか、ブーというハムノイズが目立つので要修理)

 

トレブルブースターというとトップエンドをブーストしてキンキン、シャリシャリのトレブリーな音になるような先入観がありますが、それは誤りです。

特に今回コピーしたHORNBY SKEWESについては、ノーマル状態でミッドレンジブースターであり、ブラックモア改造においてはストラトの トーンの細さを太く是正するフルレンジブースターと考えるべきでしょう。

 

なお、ネットで出回っている回路図は2種類あって、0.001uFと0.022uFのコンデンサが逆になっています。間違った回路で組んでしまうと、ローミッドのカットオフ周波数が高くなり、音が小さくなってしまうので、要注意です。(なぜ知っているかというと私自身間違ったからw)

NOSのオリジナルトランジスタマスタードキャパシタ、カーボン抵抗など、当時に準じたオールドパーツを使いましたが、その効果がどれほどか確認するため、2号機は現在普通に流通しているパーツで組んで比較してみようと思います。

 

※アースを取ってノイズが小さくなったので、マーシャルのMG-10で鳴らしてみました。

1.ODチャンネルゲイン2の音です。ストラトらしいクランチですね。

2.TBのVOL5の音です。ちょっとカリっとしてきました。

3.TBのVOL10の音です。歪が増えます。

4.TBのフルレンジブーストモードです。低音が出てファットなトーンです。

 

クリーンチャンネルではトーンと音量の変化が分かりやすいです。

1.TBなし

2.TBノーマル

3.TBフルレンジ

リッチー大先生と最初のストラトキャスター その3※追記

※ドレインリースタジオの「リング・ザット・ネック」フィルムについては1969年初頭という記述(DPASのDVDレヴューにて)があります。それが事実なら1月のBBCセッションの録音時と考えられますが、5月からの2度目のUSカナダツアーのプロモーション用となるので、Sロビンソンの解説と相違する上に少々時間が空きすぎる気がします。また室内とはいえTシャツや薄手のシャツ姿なので、1969年初頭の真冬よりも1968年初秋のような気がします。

しかしギターのフレーズは1969年1月収録のBBCセッションに酷似しているので、69年説も捨てがたく、結論が出ないですね。(笑)


古い資料を確認していて、謎が解けました。

まずは時系列でここまでのおさらい。

①1968年8月:「The Book Of Tariesyn」レコーディング

②※新発見
ドレインリースタジオにて、カナダTV局がWring That Neckの演奏風景を撮影(Eクラプトン放出のテレキャスターネックのストラトとマーシャル200を使用)

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③10月:ロサンゼルスフォーラム公演(ES335と黒ローズのテレキャスターを使用)

④12月:ニューヨーク公演中に68年の黒メイプルのストラトを入手
シングル「Emaretta/Bird Has Flown」レコーディング

⑤1969年1月:BBCラジオ「ヘイ・ボッパ・レ・ボップ/エマレッタ/リング・ザット・ネック/ヘイ・ジョー/イッツ・オールオーバー・ナウ」収録
Deep Purple(III)」レコーディング

 

①「ストラトの音は確認できない」というMaster氏の研究結果を鑑みて再確認したところ、確かに全部ES335という結論となりました。
この時点では、まだストラトはレコーディングに使用されていなかったと言う事です。

②10年ほど前にDVDのDeep Purpleアーカイヴコレクションで明らかになった映像です。


Deep Purple Mark 1 perform Wring That Neck in 1968

ディープパープル研究家の第一人者であるサイモン・ロビンソン氏によるブックレットの解説をよく読むと時期は明言していませんが「セカンドアルバムの発売と共に初のアメリカツアーのプロモーション用のインタビューを撮影するため、カナダのTV局がドレインリースタジオに撮影隊を送り込んだ(要約)」とあります。

つまりあのフィルムは1968年10月より以前に撮影され、あのストラトは米国でクリームの前座を務める前に既に英国内で入手していたことになります。

さらにアルバムバージョンよりも曲の完成度がやや低いと感じるため、セカンドのレコーディング前のリハーサル(もしくは渡米直前のリハーサル)を収録したものと思われます。そしてアルバムの裏ジャケット写真もその時点で撮影されたものだったと思われます。

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以下は私の推測ですが、あのストラトは撮影時のリハーサルで実験的に使っただけだったと考えます。
ネックの反りとオクターブずれのために、アルバムのレコーディング本番では使用せず、Jロードに譲ったということだったのでしょう。レコーディングの後に入手したのだとしても、同じ理由でステージでは使わなかったという事ですね。

そして、12月に新たに68年の黒メイプルのストラトを手に入れて、それ以降のレコーディングに使用したと考えます。

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カナダTVのフィルムにしても、アルバムジャケット写真にしても、ごくまれな一時期をとらえたものであり、テレキャスターネックのストラトは、公式音源には残らなかった幻のギターだったのではないでしょうか。