Schecter F500 and Fernandes その2
オジサンにはおなじみ、ジェフ・ベックがスタンリー・クラークと活動していた1977~1979年頃のみ使用して、一世を風靡した「ジェフベックモデル」です。(意外と写真が少ないですね。)
ラウンドローズ指板と回路が本物とは異なるのですが、あえてレプリカにする気はなく雰囲気だけで良ったので、これで良し。
入手時のオリジナルな姿
一番のポイントは、ピックアップ本体だけでなく、スイッチ、POT、アルミのピックガードまですべてオリジナルのシェクターF400アセンブリです。(ピックアップの型番はノーマルがF500N、タップがF500Tで、F500Tを3つ載せたアセンブリがF400という番号です)
当時、グレコやフェルナンデス、アリアなどからこぞってコピーモデルが発売されましたが、それらにはレバーが細い円筒形で無骨な6角ナットで留めらてた国産のミニスイッチや、樹脂製のピックガードが使われていて、細部がかなり違っていました。特にヘアライン仕上げのアルミピックガードと艶消しの樹脂では、見た目はもちろん、音が違います。
Loaded pickguard Making Movies, black Aluminium | Mark Knopfler Guitar Style Shop
近年MK GUITARから、かなり良くできたレプリカが販売されていますが、やはり本物には敵いません。なかなかお目にかかれないマニア垂涎の貴重な逸品です。(自慢!)
セイモア・ダンカン氏が組んだと言われる本物は、タップなしのF500Nをシリーズ、パラレルなど複雑な組み合わせができる謎回路になっていました。その音は、スタンリークラークグループのライブに残されていますが、どの組み合わせなのかイマイチわかりません。
Jeff Beck w/ Stanley Clarke - 1978 A Battle Without Honor & Humanity
「THERE AND BACK」でも使っていると思われますが、どの曲でどんなスイッチポジションなのかわからない・・・私は単純に、フルターンで「シングルコイルより太くハムバッカーよりブライト」、タップで普通のストラト」の音が出せれば良かったので。タップを生かしたレストアを依頼しました。
レストア後の姿
磁力の弱いアルニコ2の太いポールピースのせいなのか、結果的にはタップではストラトほどシャープな感じにはなりませんでした。しかし、ストラトの「痛さ」が取れた感じ、と捉えるとむしろ好ましいかもしれません。60年代前半のファットなトーンに近いかな?
ボリュームにCRフィルターによるハイパス回路が付加されているのですが、フルターンでちょっとボリュームを下げると、普通のストラトっぽい感じになることが分かりました。
タップ、要らないんじゃないの!
まぁともかく、シェクターF500Tは、私にとって理想的なシングルコイルピックアップです。ちなみに現行のモンスタートーンは全然別物ですし、似たようなダンカンのSSL-4もアルニコ5マグネットとワイヤリングが違うので当然トーンは違います。F500でしか得られないニュアンスが気に入っています。
シェクターの音は気に入っているですが、中途半端な塗装をした作業者にとても失礼な応対をされて、見るたびに嫌な気持ちになったので、1年近くギター部屋で塗装を乾燥させつつ放置していました。
でもギターに罪は無いからナー。塗料もやっと乾いてきたみたいなので、そろそろ磨き直してやろう。
色々と安いストラトを所有してきましたが、最終的にどれを残す?という問いに対しては「これ1本!」と思うギターですから。
分解して塗装を直す間に、スラブボードのネックが欲しくなりそう。