Who Do We Think We Are(俺たちを誰だと思ってやがる?):追記
一時はリッチー大先生の研究は終了と宣言したのですが、ES335タイプのギターを手に入れて第一期ディープパープルの研究から再開しました。
私がロックを聴き始めた1970年代・・レンタルレコード業もなく、インターネットの普及によるyoutube視聴など予想もできなかった頃、アルバムを聴くには、それを持っている知人に借りることができなければ、レコード店で買うしか手段がありませんでした。
身銭を切るわけですから、外した場合の後悔は大きく選定は真剣でしたよ。自分の聴きたい曲が多く入っているもの、もしくは世間(音楽誌)の評価参考に買うのは当然です。
ディープパープルの場合は、まずハイウェイスター、スモークオンザウォーター、バーンなどをどこかで聴いてカッコ良いと思ったところから始まると思います。
するとまず第一に聴きたいアルバムの第一群は、
・マシンヘッド
・バーン
・インロック
でしょう。
私のようにライブアルバムのメイドインジャパン、メイドインヨーロッパというのもありですね。
一通り聞いて次の第二群としては、
・ファイアボール
・ストームブリンガー
となると思います。
最後になるのが、めちゃめちゃ評価が悪い第二期のラストアルバムである、フードゥウイシンクウィアーですね。
有名な曲はウーマンフロムトーキョーだけで、メンバー不仲の中で製作され、ライブではメリーロング一曲しか演奏されなかったアルバムなので、私はまったく期待せず、買おうと思ったことがありませんでした。
DEEP PURPLE-MARY LONG-HAMBURG 1973-LIVE-RARE
それから20年の時が流れて、中古CDショップが増えヤフオクで中古品の入手も容易になった2000年代になって、ようやく中古でCDを入手して聴いたのです。
ザックリ感想を言えば、一般的なロックのアルバムとしては思ったほど悪くはなかったです。が、リッチー大先生のやる気が感じられず、ギラン・グローバーが主導のせいか、曲は地味にポップで、ギターリフもソロもなんとも冴えない。
でもね、なんだかギターの音が良いんですよ。ファットで円やかながら、こもらず抜ける感じ。(・・良くわからん表現で申し訳ありませんoyz)
このアルバムは、1972年の7月にローマの別荘施設でウーマンフロム~を録音したのち、メイドインジャパンの日本公演を挟んで10月にドイツのフランクフルト郊外のスタジオでレコーディングが行われました。音の良さはまず第一に、ホテルの廊下という残響が異常な場所で録音したマシンヘッドから、きちんとした音響環境の場所で録音したことが大きいのだと思います。さらに多くのライブを通してマーシャル・メジャーの改造とホーンバイスキューズのトレブルブースターのセッティングが上手く決まったではないかと思われます。(VOXを使う必要がなくなった)
では、ギターは何を使ったのだろう?
68年の黒いストラトはその直前にステージで破壊してしまったのでそれは無いでしょう。
可能性があるのは当時所持していた、マシンヘッドで使用していた71年のサンバースト、直前のアメリカツアーで入手して日本にも持ってきた72年のブラック、サンバーストの3本になると考えられます。(これが73年のギタープレイヤー誌のインタビューで語っていた「ブラックとブラウンの3本を持っている。ステージでは主にブラウンの2本のどちらかを使う。ブラックは歪みを得やすい」という3本の正体ですね。)
ステージでは良く使っていたように思われる71サンバは、スキャロップも雑だしフレットも替えず、実はあまり気に入っていなかったような気がするので、私としては72年のブラックかサンバを使ったのではないかと考えます。
そんなことを考えていたら、急にそれを作りたくなってしまいました。
アセンブリと極太アームは持っているけど、ネックは無いしブラックのボディは売ってしまったので、新たに素材を手に入れなくてはなりません。(続く)
追記:ジョン・ロードが撮影したというフランクフルトでのレコーディング風景の写真(写真集からのキャプチャー)を発見しました!
弾いているギターは72年式のブラックですね。(サンバーストかもしれませんが)
大先生の背後にはマーシャルのヘッドらしきもの、衝立の奥にはメジャーと思しきBキャビハーフスタックが見えます。ケーブルを辿ってみると、イアン・ペイスが邪魔してはっきり分かりませんが、奥のハーフスタックにつないでいるように思えます。でもトレブルブースターは見えないですね。